yuuの恋愛工学実践日記

恋愛工学生のyuuがナンパや恋愛について綴っていきます。

【六本木アポ】―理想と現実と―

      2016/02/03

某日夜、僕は六本木にいた。この日は、銀座コリドーナンパをした時にLINE IDを交換したアキコとのアポだった。彼女は全然六本木に来たことが無い様で道に迷っており、約束の時間から5分遅れて待ち合わせ場所に到着した。

「お疲れ様!待ったよ(^^) 寒すぎて凍死するところだったわ。てか3回凍死した」

「ごめんね!六本木って全然来たこと無いから、出口いっぱいあって分からなくて迷っちゃった(;_;)」

「冗談だよ(^^) 大丈夫!行こうか」

「うん(^^)」

こうして僕とアキコは予約していたレストランに向かった。僕は最初からテンションを最大にして、レストランに向かう道中でもアホな話をして会話を盛り上げていた。アキコはよく笑う。僕はよく笑う子が好きだ。相手が笑ってくれるとこちらまで楽しくなる。嬉しくなる。そして更に会話を盛り上げようと自然と奮起する。こんな感じで好循環が生まれると、楽しい雰囲気が二人を自然と包んでくれる。

レストランに到着した。少しほの暗く、チャラい雰囲気のお店。ザ・六本木という感じのお店だ。お酒を注文して、乾杯! 前回は4人だったからあまり話を出来なかったけど、今回は1on1だ。腰を据えてじっくりと会話ができる。僕とアキコは色々な話をした。趣味の話、出身地の話、仕事の話。そして、恋愛の話。

彼女は少し前から彼氏はおらず、回りにも良いと思う人もいないらしい。彼女はキャビンアテンダントだ。航空機内で客からナンパされるし、社内の熟練した先輩達からコンパ同行の誘いもしょっちゅう受けていて、以前はよく行っていたらしい。出会いは豊富だが、特定の男は作っていなかった。なぜ特定の男がいないかは後にその理由が発覚するのだが、その時は僕は気にしていなかった。そして、彼女からも質問が来た。

「いつもあんな感じで色々な女の子に声かけてるの?」

「人聞き悪いな。いつもじゃないよ。二日に一遍くらいだよ」

「いや、多いから(笑)」

「冗談。飲み会して、酔った時に声かける感じかな。てか、男は女子と違って、自分から行動しないと出会いなんて無いんよ」

「そうなの?」

「そうだよ。例えば、俺がコリドー街で、捨てられた子犬みたいにダンボールに入ってうずくまってたとしても、拾ってあげようと思わないし、絶対声掛けもしないでしょ?」

「まぁ、そうだね(笑)」

「そういうことだよ。男と女は色々違うの。まぁ、あの時俺が勇気出して声掛けて、今俺ら二人がこうやってデート出来てるんだからいいじゃん(^^)」

「うん、そうだね(^^)」

ナンパ行為の是非については肯定された様だ。そして色々な話をしているうちに、あっという間に2時間が経過した。ぼちぼちチェックだ。この日のアポは年末、クリスマスシーズン。この日はアキコがイルミネーションを見たいと言っていたので、アポ場所を六本木にしたのだ。僕とアキコはお店を後にして、六本木ヒルズ横のけやき坂に向かった。どちらからともなく手を繋ぎながら。とても良い雰囲気だった。

けやき坂に着いた。まばゆいばかりのイルミネーションの点灯が僕とアキコを照らす。約120万個の白色と青色の寒色系LEDに圧倒された。イルミネーションに包まれたけやき坂はとても綺麗で、六本木エリアの中でもここ一帯だけがやたらとキラキラと輝いていた。

回りを見渡してみると、リア充な人々がたくさんいた。ラブラブなカップルがキスをしている。一緒にイルミネーションを背にしながら携帯でツーショットの写真を撮っている。女の子がキャッキャッと騒ぎながら動画を撮っている。

普段の僕のアポは、最寄り駅で待ち合わせ、飲み屋、自宅というルーティーンで確約していたため、この様なデートっぽいアポは久しぶりで新鮮だった。僕は昔はこの様なイルミネーションやら夜景やらの類は全く興味が無かったし、何も感想を抱くことは無かったのだけれど、今は年齢を重ねて少しは情緒を感じられる様になったせいか、イルミネーションを見て感動するくらいには成長していた。

イルミネーションは本当に綺麗だった。僕ははしゃいでいた。アキコもはしゃいでいた。一緒に写真を撮って、笑い合っていた。そしてけやき坂を登りきった。食事とイルミネーションの用事はもう済んだ。さぁ、次はどうする? 決まってる。僕の家にお誘いだ!

「イルミネーション綺麗だったね(^^) この後どうする? まだ時間あるし、俺の家で飲み直そうよ(^^)」

「え? 家はちょっと……」

なんてこった! こんなに良い雰囲気なのに、まさかの家打診NGが出た。

「いやいや、何か変な想像してるの? てか、前回、俺の家来てるじゃん」

「ん~、そうなんだけど、家はちょっと……」

「寒いから、取りあえず行こうよ! タクシー呼ぶよ(^^)」

「いや、タクシー呼ばなくていいから」

くそ! さっきまで雰囲気は最高だった! 何だ、何が駄目なんだ? 僕は自宅に誘うために、手を替え品を替え色々と提案したが、彼女は首を縦に振らなかった。六本木の道端で5分ほど格闘した。ここまで言ってダメなら仕方ない。僕はグダる子が本当に苦手だ。

そして、僕は自身の左腕に佇んでいる腕時計の時刻を見て、とっさに頭を切り替えた。まだ時刻は22時だった。ストリートナンパ、全然いける時間じゃん! アキコと解散して六本木でストリートナンパしよう、本気でそう思った。

「分かった。じゃあ帰ろう。駅まで送っていくね(^^)」

「う…うん、分かった」

「駅あっちだね。行こう(^^)」

「怒った…?」

「え? 何で? 怒ってないよ(^^)」

本当に怒っていなかったし、アキコを六本木駅まで送るつもりで先導して歩いていった。そしたら後ろから声が聞こえた。

「やっぱり、yuu君の家に行く」

女子と対峙する時、男はその女子を失う覚悟を持って、そして、相手には最大限男女の関係を意識させながら接しなければいけない。意中の女の子と結ばれたいと考えるならば、狼の顔を隠しながら人畜無害の紳士の仮面を被って女子に近づくのは完全にダメだ。紳士の仮面でアポれたとして、物理的に女子の近くにいたとしても、ベッドインするという意味ではその実、一番遠いのだ。

僕は徹底的に「男」として距離を詰めていた。そして、捨て身の覚悟で行動していたら家打診が決まった。僕とアキコは一緒にタクシーに乗って僕の家に向かった。コンビニで酒を購入する。僕の家で再度乾杯。色々と語りに語った。

彼女は、自分の意思でキャビンアテンダントの職を目指していた。そして、晴れてその職に就いたけれど、世間のイメージと実際の現実のギャップに翻弄されていた。世間では花形と呼ばれるキャビンアテンダントの仕事だけど、実態は、勤務時間はバラバラ、ハードな仕事内容、厳しい就業規則、会社内での先輩たちから日々繰り出されるマウンティング。そして、華々しいと思われている世間のイメージ。キャビンアテンダントという存在に対して、彼女はひどく疲弊していた。キャビンアテンダントの仕事を辞めたいけれど、キャビンアテンダントを辞めて「何も無い自分」になるのが怖いと言っていた。

そして、追い打ちをかけるのが恋愛だ。合コンに行った時の話や元カレの話を僕にしてくれた。彼女がなぜ自身がキャビンアテンダントだということをあまり話したがらないのかの理由が判明した。彼女を縛る呪縛の正体がだんだんと分かってきた。

「合コンに行くとね、CAっていうだけで、相手の男の人たちのテンションが上がるの」

「元カレは、CAの仕事を辞めたら別れると言ってきて悲しかった」

僕は別に相対する女の子がキャビンアテンダントだからと言って、特別にテンションが上がるわけではない。下がることも無い。と言うより、そもそも何も気にしていない。でも、世間の男たちは違うようだ。職業1つでここまで評価が変わるのか、そう思った。

キャビンアテンダントの仕事を辞めたら別れるって、それはつまり相手を自分のアクセサリーとしてしか見ていないということじゃないか。そんなことを言う男がいるんだな、と思った。もし僕が逆の立場で同じことを女子から言われたら確実に激高する自信がある。

「あんた、今の職場辞めたら無価値だし、私、別れるから」

こんなことを言われたら普通の男ならブチ切れるだろう。これと同じことをアキコの元カレは平然と言ってのけたのだ。

モデル、芸能人、アナウンサー、キャビンアテンダントなど、世間一般的に花形と呼ばれる女子をGETしたと言ってはしゃぐナンパ師と、経営者、外銀、医者、弁護士などのハイスペックの男と付き合っていると言ってはしゃぐキラキラ系女子は、性別や性質は違えど、その実、根幹は同じなのだなと思った。はしゃぐのは良いけど、凄いのは相手であって本人は凄くもなんともない。相手のスペックや社会的地位を持ちだして、自身のアクセサリーにしたり、他人にマウンティングするのはただの「虎の威を借る狐」だ。

僕はアキコと真正面に向き合った。キャビンアテンダントとか、職業は関係ない。一人の女の子として、アキコとひたすら向き合った。徹底的に和みに和んだ。そして、キス。キスは瞬く間にディープキスになる。もう、二人の間に言葉はいらなかった―――――――――――――

 

 

行為後、彼女は言った。

「私、CAの仕事辞めようと思ってるんだ」

「良いんじゃないかな。色々聞いて思ったけど、そこまで無理してやる仕事ではないと思うよ。アキコは自分はやりたい仕事をやればよいと思う(^^)」

「だよね。ありがとう(^^)」

後日、彼女は職場に退職届を出した。自身をキャビンアテンダントという呪縛から、自らの意思で解き放つために。おめでとう。今までこうだったからとか、世間ではこうだからとか、回りの意見は一切関係ない。「キャビンアテンダントとしてのアキコ」じゃない、ありのままのアキコでも受け入れてくれる所はあるよ。

未来は自分の手で掴むものなんだよ。まだこれからどこの職場に行くかは決まっていないみたいだけれど、彼女の新しい門出を僕は心から祝いたい。彼女は、自身のキャビンアテンダントという呪縛からテイクオフ(離陸)したのだ。

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